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CO2売買の時代
 毎日新聞(Web 2004-08-04)に以下の記事がありました。

 地球温暖化の原因となる温室効果ガス削減のため環境省は、企業の自主参加による国内排出量取引制度を来年度から導入する方針を決めた。企業は自主的に排出量の目標を設定し、同省は目標達成のために必要な省エネ機器の導入にかかる費用を補助する。目標以上に削減できた分については、できない企業に売却することができる。同省は当初、30 程度の事業所が参加し、25万〜30万トン分の二酸化炭素(CO2)が削減できると見込んでいる。
 新制度では、参加企業がこれまでの排出量などから温室効果ガスの削減量を決め、排出目標を設定する。目標達成のため省エネ設備の導入にかかる費用について、同省は1事業所当たり約1億円の補助をする方針で、05年度の概算要求に盛り込む。
 同省は06年度が終わった段階で、設定した目標が達成できたかどうかを検証。達成できない場合は、ペナルティーとして補助金の返還を求める。一方、目標よりも余分に削減できた分を企業が、目標を達成できなかった企業に金銭で売却できる「排出量取引市場」も創設する。

 いよいよ、CO2が売買される時代に突入しました。京都議定書によって日本は、1990年比で6%の削減量が決められてます。しかし、2002年の時点で、前年度比2.2%増、京都議定書の規定による基準年と比べて7.6%増という現状で、大変、厳しい結果となっています。

 これに歯止めをかける目的で設けられたのが、この新制度です。

 一歩間違えると、CO2が金融商品になりかねない懸念もありますが、具体的なアクションを起こさせるには、このような踏み込んだ手法も必要だと感じます。

2004-08-05

CO2排出規制 2010年の目標達成困難に

 総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)がまとめる長期エネルギー需給見通しの最終案が14日明らかになった。石油など化石燃料から生じる二酸化炭素(CO2)の排出量は省エネなど対策を進めても2010年度に11億トンと1990年度より5%増える。10―13基を想定していた原子力発電所の新設見込みを4基に下方修正する影響が大きい。CO2の伸びをゼロに抑え、代替フロンなども含む温暖化ガスを全体で6%減らす京都議定書の目標達成は極めて困難になった。
 原発の立地が減るのは電力自由化の進展や地元住民の不安などが広がっているため。家庭やオフィス、運輸部門で予想以上にエネルギー消費が進んでいることもCO2排出量を押し上げる要因だ。経産省の試算では温暖化対策が進まない場合、2010年度の排出量は11億7000万トンとなり、90年度比で11%増に膨れあがる。
【日経NET 2004-05-16付記事】

 という現状を考えますと、ますますCO2売買に拍車がかかることになりそうです。日揮や清水建設もこのビジネスに参入するようです。

 日揮や清水建設などプラント・建設大手が二酸化炭素(CO2)排出権ビジネスに参入する。温室効果の高いガスを海外で削減することで大量の排出権を獲得し、権利売却収入を得る。これまではCO2を大量排出する電力、石油、鉄鋼メーカーが排出規制の導入に備えて排出権事業を手掛けるケースが多かった。CO2排出量の少ない「異業種」が売却収入を狙って参入することで、排出権ビジネスのすそ野が広がる。
【日経NET 2004-06-15付記事】

2004-08-09

CO2排出権