住友電気工業は10日、零下200度以下の極低温でなくても電気抵抗がゼロになる高温超電導技術を使った線材の量産を、年内に始めることを明らかにした。高温超電導線の量産は世界で初めて。送電能力は現在主流の銅製電線の130倍と極めて高く、送電容量増大の際に送電管敷設などが不要となるため大幅なコスト削減が期待できる。 住友電工は、鉛や亜鉛の副産物として生産されるビスマスや銅を材料に、一度に長さ1000メートルまで製造できる技術を確立した。量産は大阪市此花区の大阪製作所で始める。 高温超電導技術を使えば、電線の冷却も含めたエネルギー損失が従来の半分以下に抑えられ、二酸化炭素(CO2)の排出削減にもつながる。当初の販売対象として、主に米国の電力会社を考えている。 住友電工は「線材の能力をさらに向上させることで、新幹線車両や船舶の変圧器にも使えるようにしたい」と説明している。 【共同通信 2004-05-10】
電力自由化に伴い、大手電力会社が「送電部門を独占」していることが問題視されていますが、高温超伝導線が何らかの突破口になることを期待します。 2004-08-09 |